#75
「ドラゴンボールの聖地 後編」
2009.01.12
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重
苦しい空気が車内を包んだ。
このままミッションを果たせぬまま、引き下がるしかないのだろうか。
その時だ。
車内の空気の変化を感じ取ってくれた先生から一言。
「あれ!?家のほうがよろしかったですか?」
そこで編集者Dさんからのナイスフォロー。
「実は一緒に来た彼は先生の大ファンで、もしよろしければ先生の家にお邪魔させていただきたいのですが。」
「あぁー、そうだったんですか、それでは家へ行きましょう!」
ヨッシャー!
やったよ悟空!
先生&Dさんありがとうございます!
それからはまさに夢のような時間が過ぎていった。
夜だったのでハッキリとは見えなかったが、要塞のようにデカい豪邸に到着。
(もちろん軽自動車以外にも、車庫にはたくさんの車が並んでいたのは言うまでもない)
バードスタジオと書かれた大きな扉を開けると、
等身大のバットマンの人形が玄関で僕たちを出迎えてくれた。
大理石で囲まれたリビングに通してもらうとビックカメラでは
見たこともないような大型テレビが目に飛び込んできた。
「すみませんね、ちょうど奥さんが出かけてしまって。」
と先生みずからお茶をいれてくれた。
なんとも申し訳ない。
世界的な大先生なのに、全くといっていいほど偉ぶることがない。
本当に素敵な人だ。
それからしばらく模型の話で盛り上がり、帰り際ついにサインをもらうチャンスが訪れた。
「すみません、もしよろしければこちらにサインをいただけませんでしょうか?」
僕はバッグからドラゴンボールのコミックを取り出し、図々しくもダメもとで一番のお願いをした。
「もし出来ましたら、悟空の絵も描いてもらえませんでしょうか?」
そしたら、
「もちろん、いーですよ」
と笑顔であっさりと快諾してくれた。
今、僕の目の前で凄いことがおきている。
マジックペンを持った先生の右手が滑らかな曲線を走らせ、
今まで何度も目にしてきた悟空がそこに描かれているのだ。
小学校の頃の僕に、この夢のような出来事を教えてあげたら、
「地球に生まれてよかったー!」
と叫ぶに違いない。
僕にとってのマンガの神様は手塚治ではなく、鳥山明だ。
そんな神様が自分のためだけに悟空を描いてくれたなんて!
僕は興奮してスーパーサイヤ人に変身してしまいそうだ。
ドラゴンボールの聖地 完
おまけ「ドラゴンボール裏伝説」
◎連載中、一番忙しかったときの睡眠時間が、一週間でわずか20分だったこともあるらしい(驚)!
◎大先生ともなるとアシスタントが大勢いるのが一般的。
そして背景などは自ら描いたりしないもの。
ところが、鳥山先生のアシスタントはたったの一人(驚)!
しかも一週間に一度、半日だけお手伝いしてもらうだけだったそうだ(ご本人談)。
◎デビュー前、先生は「週間少年マガジン」の新人賞に応募するつもりだった。
しかし締め切りが間に合わず、「週間少年ジャンプ」のコンテストに作品を投稿した。
それが縁で、やがてジャンプで連載をすることになったそうだ。
「週間少年マガジン」が逃した魚はあまりにも大きい。
◎アニメ版ドラゴンボールは、ピッコロ大魔王編が終わったあと、
ドラゴンボールZというタイトルに変更して新たにスタートした。
なぜ続編に「2」でなく、「Z」をつけたのか?
それは、カッコいいからという単純な理由でなく、アルファベットの最後の文字を
タイトルにつけたのは、「もうこれ以上続編を描きませんよ。」という真意があったらしい(驚)!
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